Friday, June 3, 2011

SDSVPインターン最終日


今日は1年弱続けたインターンの最終日でした。

学生のインターンが沢山いてまるで学校と変わらなかった議員事務所とは違い、ここでは仕事に情熱を持ってる人々のチームで働くとはどういうことかを学べた。

写真の二人は唯一有給で働いているスタッフで、団体の99%は裕福なボランティアのパートナーたちで運営されてるんだけど、インセンティブが無いのに人が集まるところには、やはりそれだけの価値があるということを知りました。

まあボランティアの人々は元々社会的に成功した弁護士や医師、投資家などの方ばかりなので、お金に困ってないから思う存分こういた活動ができるんだろうけどね。

でもアメリカ人の「自分が作り出した資産を社会に還元しようとする意識」は明らかに日本のそれに比べて強いので、これは素直にいい文化だなと思います。

では私がインターンの間お世話になった人々を少し紹介。

写真で右に映っているのはこのNPOの代表のペギー。現在44歳にして初めて妊娠中(しかも双子)という、これだけでも冒険的な人生をうかがわせる彼女ですが、経歴も冒険に富んでます。

22歳で大学を卒業した後、とにかく世界を見て回りたくて豪華客船のカジノディーラーになり、オーストラリア人と恋に落ちる。

1年間の船での生活を後にし、オーストラリアへ移住。彼と別れた後も知り合いの家を転々とし、農家でイチゴの栽培を手伝ったりシドニーでウェイトレスをしたりしながら1年をすごす。

兄に人生設計について問われたのをきっかけにアメリカに戻り、真面目にマーケティングの仕事を数年。

利益を追求するビジネスは自分に合わないと考えていたところ、アフリカでエイズをなくす運動を行っている知人に誘われ、アフリカへ移住、エイズ撲滅活動に従事。

社会を良くするNPOが自分に向いていると気づき、サンディエゴへ引越し運良く新設されたばかりのSDSVPの代表の座を獲得し、今に至る。

というなんともアドベンチャラスな人生を送っている方です。

就職についても何度も相談に乗ってもらったんだけど、彼女のコアバリューは「人生は1度しかないから、見たいものを見て、食べたいものを食べて、尊敬できる人のそばで幸せに生きたらいいと思う。何かに情熱を持てるのは何よりも素敵なことよ」ってことらしい。

私は今まで好奇心に突き動かされるままに生きてきて、年を重ねるごとに人生がより楽しくなっていくのを実感しているから、彼女の言うことが深く胸にしみます。

アメリカに残ることを決めたのも、彼女の言うような人生を送りたいと思ったからかもしれないなあ。

異文化の中でマイノリティーとして生活するのは、不便なことはあってもエキサイティングな要素のほうがずっと多いと私は感じていて。

朝起きて夜寝るまでに「日本は」「アメリカは」って考えるいくつものきっかけに出会えるのは、外国で暮らすからこその刺激だと思う。

彼女との出会いにより「ユニーク」であることの価値を再確認することができ、またそれに伴うリスクを真剣に考えるきっかけにもなった。

まだ短い私の人生の中でも忘れられない存在になるであろう一人です。


一方、左に映っているのは私に手取り足取り仕事を教えてくれた直属のボス・マンディー。

彼女は大学を卒業後、手話の先生をしながらダンサーとしてデビューすることを夢見てオーディションを受け続けること2年。

ダンスの夢がうまく行かず、聴力障害を持つ人のためのNPOで働くうちに、限られた人員や予算、ビジネスセンスの乏しい経営に疑問を抱き始める。

そして見つけたのが、そんなNPOに資金提供とビジネス的視点からのコンサルティングを行う団体、SVP。ここで秘書として働くこと4年、という具合です。

マンディーはまだ若いので経験が豊富なわけではないけれど、いつも笑顔でポジティブ、人を励ますために時間を惜しまない人柄は、私がすごく尊敬するところです。

私の仕事がチンタラして苛立ったこともあった筈なのに、彼女の話し方は厳しい内容の時も常に建設的でした。

まさに理想の上司だった。

というわけで、職場には非常に恵まれていた私。やはりNPOはお金を追わなくていい分、理念の追求に多くを捧げられるので、無駄なストレスを抱えていない人が多いように感じました。

職務経験はもちろん、実に様々なバックグラウンドを持つ人々に出会うことができ、本当に充実したインターンでした。毎週15時間の無給労働は楽ではなかったけど、確実にそれだけの価値を得られたと思う。


ちなみに本当はもう一人有給で働くスタッフがいたんだけど、なんと先週の火曜日にレイオフされてしまいました。

彼女は新しいパートナーを増やす営業のような仕事をしていたんですが、毎月のノルマに見合っていなかったらしく、8ヶ月でオフィスを去ることに。

私が来たときには彼女の荷物が全てなくなっていて、更にウェブサイトからも彼女の紹介欄が消えており、レイオフの厳しい現実を目の当たりにしました。

NPOであれビジネスであれ、アメリカの職場は人を切るときは本当にスパーンと切るので恐ろしいですね。まあそれが最も効果的なマネジメントに繋がるんだから、当然といえば当然だけど・・・

Wednesday, June 1, 2011

ビンラディンの殺害は正義だったか

今日はプレゼンを終えました。ものすごい開放感。


今回はビンラディンの殺害は正義だったかどうかについてプレゼンしたんですが、これは非常に興味深いトピックでした。

ちなみに写真は、ビンラディン殺害のニュースを受けホワイトハウスの前でお祭り騒ぎをする人々。

私は完全に部外者としての視点でこの事件を眺めているので、ビンラディンがテロリストだった現実を持ってしても殺害は完全なる正義だったとはいえないと考えています。

まあこれは外国人の中でも意見が分かれるところでしょうけどね。

新聞によると実際の遺族にも裁判にかけて事件の経緯を明らかにして欲しかったと望んでいる人は結構な割合がいるみたいだし、殺してその上証拠も出さないんでは大勢の人が納得いかないのは言うまでもないこと。

さらにそもそもビンラディンが打倒アメリカにむけて活動しだしたのは、彼の祖国であり、メッカのあるサウジアラビアに米軍が基地を置いたことがきっかけのようだし、「じゃあアメリカの世界警察ごっこと民主主義の押し付けは正義なの?」ってとこを軸に「アメリカは世界の望む”正義の達成”を追及すべきだった」ってことを主張しました。

そしたら反論のすごいこと。

「大量殺人の真犯人は殺されて当然だ」
「アメリカは今までの行為を善意で行ってきたのに、奴らは感謝のかけらもない」
「殺されたのが間違いだというやつは頭がおかしい」(これはオバマ大統領も同じ事を言ってた)
「裁判にしていたら裁判官の命も狙われるし、結局米国の基準で判決が出るから結果は同じ」

と、たくさんご意見をいただきました。

実際こんなプレゼンをアメリカの政治のクラスでやること自体が飛んで火にいる夏の虫そのものだったんだろうけど。

アメリカは自己利益の実現に非常に大きな価値を置く国なので、世界から見ると自分勝手な行動もアメリカ的価値観から見れば当然になってしまうんですよね。

アメリカの言う悪気のない「善意」が余計なお世話なこともあるってことに気づかないところは、本当にどうにかしてほしいけどね。

政策を組んでる人たちはもちろん民主主義・資本主義を広めることが自国の力の及ぶ範囲を広げることにつながるということをわかっててやってるんだけど、無駄に愛国心だけ強いアメリカンな方々はそういうところまで考えが行ってない気がします・・・

と色々思うところはあったんだけど、最後のほうはクラスが「アメリカYEAH!!」みたいな空気だったのであまり強気なことは言えずじまいでした。はは。

まあ白熱した議論になったし、結果的にプレゼンは成功したのでよかったかな。

来週で今学期も終わりじゃ~。テスト~~あああ~。